今回は人の体で重要な骨について解説します。骨にもいくつもの種類があり、それぞれ役割が異なります。解剖学を知る上で必要な知識になりますので、ぜひお読みください。
人の骨は数は何個あるのか?
よくクイズで問題になることがありますが、人間の骨はいくつあるかご存知ですか?答えは成人は約206個といわれています。
「約」と書いたのは、人によって欠けている骨もあるからです。教科書によっては200個ちょっとと記載されているものもあります。ここでは細かい数字はどうでもいいので、200個もあるのだと覚えてください。
ここで鋭い人はピンとくるでしょう。「成人は」と書いたので「赤ちゃんの頃の骨の数が違うのか」ということです。
実は赤ちゃんの頃は成人よりも骨は多いのです。赤ちゃんから幼少時代を経て成人する間に、いくつかの骨が癒合(くっつここと)します。そのため成人の方が赤ちゃんよりも骨の数は少ないのです。
ちなみに成人では骨は体重の約15~18%を占めています。
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人の骨の種類
次に骨の種類を見ていきましょう。骨を形で分類すると4種類に分けられます。
長骨
名前の通り長い骨。太ももの骨である大腿骨や、二の腕にある上腕骨がこれにあたります。
短骨
こちらも名前の通り短く塊状の骨。手首にある手根骨(しゅこんこつ)や、足部にある足根骨(そっこんこつ)がこれにあたります。
扁平骨
平べったい骨。代表的な骨は胸にある胸骨(きょうこつ)です。
不規則骨
上記の3つに当てはまらない骨で、背骨がこれにあたります。
う。
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人の骨の構造
骨は何層にも分かれていて、それぞれに役割があります。長骨を例にとって骨の構造を見ていきましょう。
(C)alexpokusay / 123RF 写真素材
骨は骨膜(こつまく)に覆われています。骨膜は薄い膜で、血管や神経がたくさんあります。余談になりますが、骨折したときに痛いのは、骨膜が破れて痛みを感じるからです。
骨膜の下の表在部には緻密骨(ちみつこつ)、深部には海綿骨(かいめんこつ)があります。
骨の中には髄腔(ずいくう)という空間があり、ここに骨髄があります。骨髄は赤色骨髄と黄色骨髄があり、赤色骨髄は血を造ります。
骨の端の方には骨端線(こったんせん)があり、成長期にはこの骨端線が伸びますが、成人すると閉じてしまいます。
骨が成長したり、骨折後に骨が癒合(ゆごう:くっつくつこと)するためには栄養が必要ですが、骨は自分自身で栄養を造り出すことはできません。そこで動脈を通して積極的に栄養を補給します。
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人の骨の役割
人の骨には大きく分けて4つの役割があります。
人の体や動きを作る
人は骨があるから立位姿勢を維持できますし、歩くこともできます。(ただし骨だけでは支えることはできず、筋肉や靭帯が必要になります)これは一戸建ての家に例えると柱と同じだと考えてください。
内臓を保護する
これは頭蓋骨を考えれば分かりやすいですね。頭蓋骨は脳を外力から守ってくれています。他にも骨盤は膀胱や生殖器を、胸にある胸骨は心臓や肺を保護します。
造血
造血とは「血を造ること」です。さきほど骨髄のところでご紹介した赤色骨髄がその役割を担います。子どもの頃はほとんどの骨の骨髄は赤色骨髄ですが、手足の骨の骨髄は黄色骨髄に変化します。
カルシウムを貯蔵する
これは意外と知られていませんが、カルシウムを貯蔵しているのは骨です。カルシウムは骨にだけ使われるのではなく、筋肉の収縮や神経の伝達にも必要です。