五十肩の意味や由来は?四十肩との違いは症状を理解すればわかりやすいので解説してみました

五十肩の本当の意味をご存知ですか?四十肩との違いは実は本当に単純なことなのです。今回は五十肩について意味や由来をやさしくご紹介します。

 

五十肩という病名はない

そもそも五十肩という病名はないのです。五十肩とは簡単にいうとニックネームみたいなもので、正式には肩関節周囲炎といいます。

もっとややこしいことをいえば、肩関節周囲炎も「肩関節周囲に起こる炎症の総称」なので細かく分かれるのですが、まずはここでは五十肩という病名はニックネームみたいなものなんだと覚えてください。

 

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五十肩の意味は?由来は?

五十肩とはどんな疾患なのでしょうか。東北大学の整形外科のホームページで、肩関節のスペシャリストである井樋教授は次のように紹介されています

中高年の人が悩まされる肩の痛み、いわゆる「五十肩」は、50歳代を中心とした中年以降に、肩関節周囲組織の退行性変化を基盤として明らかな原因なしに発症し、肩関節の痛みと運動障害を認める疾患群と定義されている

引用)東北大学医学部整形外科教室「わかりやすい 五十肩・肩の痛み」

ここでのポイントは3つあって、「50歳代を中心」「明らかな原因なし」「肩関節の痛みと運動障害」です。

いわゆる五十肩は50歳代を中心とした中高年に多く発生します。だから「五十肩」という名前がついています。

五十肩で悩んでいる中高年をリハビリで担当するときには、初回のリハビリ時に「ぶつけたり、同じ動作を繰り返したり、重い物を運んだりしましたか?」と必ず原因をお聞きます。

でも多くの人が「いや、特にないんです。でもなんとなく少し前から痛みが出てきて、知らない間に動かしにくくなっていました」と答えます。

 

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五十肩の症状は?

では五十肩ではどのような症状が出現するのでしょうか。

基本となる症状は先ほども紹介しましたが、痛み運動制限(動かしにくさ)です。

痛みは肩関節を動かしたときにもありますが、時に夜間に眠れないほどの強い痛みにおそわれることもあります。(夜間痛

運動制限では肩関節では屈曲や伸展方向にも起こりますが、特に外旋ができなくなります。

肩関節の運動方向についてわかりにくい人はこちらの記事を先にご覧ください。

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肩関節の運動方向と名称をやさしく解説!どんな筋肉が関わるの?

外旋が制限されると手が後ろに回せなくなります。いわゆる結帯動作といって帯を結ぶ動作がやりにくくなります。

最近はあまり着物を着ることはないでしょうが、誰でも背中を掻くことはあるでしょう。それができにくくなるということです。


画像引用) 日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」

五十肩では痛みがあるから動かさない

動かさないから肩関節がかたくなる

肩関節を動かさないから動かそうとしたときに痛みがでやすくなる

肩関節がさらにかたくなる

という悪循環をたどることが多いです。

肩関節がかたくて動かせないので凍結肩(英語ではfrozen shoulder)と呼ばれています。

原因の根本は炎症なので、その炎症を抑えるために消炎鎮痛剤(湿布や痛み止め)、温熱療法、関節内への注射、リハビリなどが行われます。長い人では1年以上も悩まされることがあります。

 

五十肩と四十肩の違いは?

五十肩とよく似た疾患として四十肩という名前を聞いたことがないでしょうか。

実は五十肩と四十肩には何に違いもありません

50代の人がなりやすいので五十肩という名前がつきましたが、たとえば49歳の人が五十肩になることもありますし、40代でも五十肩になることがあるので、40代の人には四十肩と伝えているだけです。

同じ理屈でいくと30代でも五十肩になることはありますし、60代や70代でも五十肩になることはあります。70代の患者さんが五十肩と診断されたら「五十肩っていわれた」と、若くいわれたと勘違いしていることもあります。

 

五十肩は病院で何科を受診すればいい?

五十肩は関節や筋肉に由来する疾患ですので、病院を受診するなら整形外科、もしくは整形外科医院(クリニック)になります。

肩関節は解剖学や運動学のところでもいいましたが、とにかくややこしいです。関節の構造も複雑ですし、筋肉も多いです。何より人の体の中で一番動く関節なので問題が起こりやすいのです。

そういう意味では五十肩で長期間治らないときには、肩関節の専門医の診察を受けることをおすすめします。

 

五十肩とややこしい疾患は?

冒頭のニックネームのところでもいいましたが、五十肩はいわゆる肩関節疾患の総称のようなもので、細かく見ていくと単純に凍結肩以外の症状であることも多いです。

たとえば肩関節の重要な筋肉である腱板の断裂や上腕二頭筋の長頭腱炎、肩峰下滑液包炎とは区別が必要です。そうしないと治療は大きく変わってきますので。

とにかく「五十肩といってもいろいろあるんだな」と、まずはそれだけ理解していただけると幸いです。