テニス肘は病院で何科を受診する?放置して慢性化する前にやるべき4つのこと

これってテニス肘?テニスに関係する肘の痛みがある場合、病院では何科を受診するべきなのでしょうか。今回はテニス肘がどのような症状で何科を受診するべきなのか、放置すると怖いテニス肘についてご紹介します。

テニス肘という疾患はない!本当はなんていうの?

世間一般ではテニス肘で知られているテニスに関係する肘関節周囲の肘の痛みですが、実はテニス肘という診断名は正しくありません。

では医学的にはテニス肘は上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいぞくじょうかえん)といいます。ちなみに外側の読み方は「がいそく」といいます。「そとがわ」じゃないですよ。

つまり上腕骨外側上顆の炎症ってことですね。

なぜこんな小難しい名前の話をするかというと、正式名称を知らないとこの疾患を理解できないからです。だって上腕骨外側上顆ってどこかわからないでしょ?

 

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上腕骨外側上顆ってどこ?

では上腕骨外側上顆とはどこか確認していきましょう。

上腕骨とは肩関節から肘関節の間にある腕の骨です。わかりやすくいえば、上腕二頭筋(=力こぶ)の奥にある骨です。

このあたりがわからない人は、まずは肘関節の解剖のページを確認しましょう。

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その上腕骨の「外側上顆」ということなのですが、外側はいいでしょう。読み方は「がいそく」ですが、意味は「そとがわ」です。

では次に上顆ですが、顆は「顆粒」などに使われるので、「丸っこい」という意味ですね。ですから上顆は上にある丸っこいところという意味になります。

では上腕骨の外側にある丸っこいところがどこかというと、ちょうど肘関節の裏側の上くらい。痛みの場所としてはこのあたりです。

骨の解剖でいうとここです。

 

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テニス肘とはどんな症状なのか?

テニス肘が上腕骨外側上顆に起こる炎症ということ、そして上腕骨外側上顆の場所はわかったのですが、なぜテニスをするとここに炎症が起こるのでしょうか。

上腕骨外側上顆には肘関節の伸展や手関節の背屈、指の伸展に関与する筋肉がたくさんくっついています。

筋肉の概論でも話しましたが、ほとんどの筋肉はどこかの骨に2ヶ所でくっついています。この骨にくっついている部分を起始停止といいます。上腕骨外側上顆の場合はたくさんの筋肉の起始となっています。

起始や停止は筋肉が使われる(=筋肉が収縮する)ときにぐいぐい引っ張られます。普通に引っ張られる程度ならいいのですが、過度に繰り返し同じ負担が繰り返されるとくっついている部分に炎症が起こることがあります。

テニス肘でいうと、テニスをずっとすることによって過度な負担が上腕骨外側上顆にかかっているとまずは理解してください。

東京医科歯科大学整形外科教室のホームページではテニス肘とは次のように書かれています。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の病因は古くより数多く唱えられています。伸筋(手首をそらす筋)の上腕骨外側上顆起始部の老化や、橈骨輪状靱帯の損傷や狭窄、または滑膜ヒダという関節内の滑膜肥厚など多岐にわたります。我々は肉眼解剖学的研究により短橈側手根伸筋という伸筋腱の1つとその裏にある関節包という関節を包む膜構造の脆さがその病態に関わっていると報告しています

引用) 東京医科歯科大学整形外科教室「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」

つまり筋肉だけでなく、橈骨にある輪状靭帯や滑膜ヒダが原因になることもあるようですし、肘関節の関節包という袋のもろさも関係しているとのこです。

 

テニス肘は病院で何科を受診する?

ここまでご説明してきたように、テニス肘は主に筋肉の疾患になりますので、病院を受診するなら整形外科になります。

重度な場合にはスポーツを専門にしている整形外科医に診てもらうのがいいですが、スポーツを専門としている整形外科医も膝関節や肩関節、肘関節など専門分野があるので注意が必要です。

 

テニス肘の検査は?レントゲンは撮るの?

病院の整形外科を受診して、上腕骨外側上顆炎と診断されるにはどのような検査をするのでしょうか。

テニス肘の場合、問診で「テニスをしていて肘が痛い」と話すと思うので、この時点である程度医師には診断名の予想が立つと思います。

骨に異常がないか確認するためにレントゲンを撮ることが多いと思いますが、レントゲンでは骨には通常異常は見つかりません。こんな感じできれいな画像所見となります。

テニス肘ではトムセンテストや中指伸展テストなどで上腕骨外側上顆に痛みがあるか確認します。

【トムセンテスト】

【中指伸展テスト】

画像引用) 肘が痛い方のために 診療ガイドラインに基づいた上腕骨外側上顆炎(テニス肘)ガイドブック 「どんな検査をするのですか,検査で何がわかるのですか(診断)」

チェアテストといって、手の平を下向けて椅子を持ち上げる検査もあるのですが、痛みが強い人には酷なのであまり用いられません。

診断の確定にMRIが用いられることもあります。

 

テニス肘の治療は?

テニス肘の治療は基本的には安静、すなわちテニスをしないことが一番です。

とはいっても、テニスが好きでテニス肘になった人に何ヶ月もテニスを中止するように伝えても、なかなかやめてくれません。(こっそり続ける人や痛みがましになれば再開する人が多い)

最低でも痛みがましになるまではやめていただきたいのですが・・・。

安静以外にできることとしては、一般的な痛みの治療と同じく、消炎鎮痛剤(飲み薬や湿布)が使われます。短期的には痛みをとるにはステロイドの注射を痛みがある部分に打つのも効果的です。

リハビリでは痛みの原因となっている肘関節の伸筋群のストレッチを指導したり、これらの筋肉を使わないような動作指導などが行われます。

テニス肘ではエルボーバンド(サポーター)が処方がされることもあります。

これをつければテニス肘の痛みがひどくならないわけではなく、あくまで効果は限定的です。

最悪の場合、関節鏡を用いた手術になる場合もありますので放置せずに医師の診察を早めに受けましょう。。

 

テニス肘のラケットで選びは重要?おすすめは?

テニス肘ではラケットが関わっている場合もあります。

重くて使いにくいラケットだと体を痛めそうでしょ。

それを表すように各メーカーからは「衝撃吸収」を謳ったさまざまなラケットが販売されています。これらのラケットを使えばある程度効果はあるのでしょうが、結局過度な負担がかかり続ければ痛みはひどくなっていきますので、こちらも効果は限定的かと思います。

全く効果がないこともないと思うので、気になる人は使ってみるのもいいかもしれません。

 

テニス肘にコンドロイチンは効く?

どの疾患でもコンドロイチンの話になるのですが、テニス肘にコンドロイチンは効果があるのでしょうか。結論から申し上げると、コンドロイチンにはテニス肘を予防したり治す効果はありません

でも患者さんからは「コンドロイチンは効くのですか?」って聞かれるんですよね。ここまで来るとメーカーのCMの効果はすごいといわざるを得ません。

 

テニス肘を放置して慢性化する前にやるべき4つのこと

最後にテニス肘は放置していると慢性化して、テニスに復帰するまで余計に時間がかかってしまうことになります。ですからぜひ慢性化するまえに次の4つのことを守ってくあさい。

  1. テニス肘が疑われた場合には早めに整形外科を受診して正しい判断を仰ぐ。
  2. 医師に安静を支持された場合、しっかりそれを守る。
  3. 理学療法士からストレッチや動作指導を受けて実践する。
  4. エルボーバンドはテニスを続けてもいい免罪符にはならない。

以上、テニス肘で悩む人のお役立てば幸いです。