サポーターは寝るときに外す?それともつけたままにしておく?どちらが正しい使い方なのでしょうか。
今回は夜間のサポーターの使用方法について詳しくお伝えします。
意外と知られていない夜間のサポーターの使い方
先日膝が悪くて普段サポーターを使っている母からこんな質問を受けました。
「夜はサポーターは外した方がいいの?それともつけたままにしておくの?」
母がいうには、インターネットで調べたそうですが、どのサイトも言い分は違ったようで、「外します」というサイトもあれば、「つけたまま寝る」というサイトもあったようです。
母に聞かれてから私も夜間のサポーターの使い方についてインターネットで調べてみたのですが、母のいう通り意見が違ったサイトが多くてややこしかったです。
もしかしたらこちらのサイトにお越しの方も、夜間のサポーターの違いが分からなくて、検索して訪問されたのかもしれませんね。
結論から申し上げると、寝るときに基本的には外した方がいいですが、つけたままでもいいサポーターもあります。
ですからその違いを理解して、自分のサポーターの用途に合った使い方をすることが大切ですね。
肉離れでも腱鞘炎でもtfcc損傷でも、利用するサポーターの役割をしっかり理解すれば大丈夫。
そのあたりを次の章で詳しくお伝えしていきます。
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寝るときにはサポーターを外す理由
ではなぜ寝るときんはサポーターを外すのでしょうか。
その理由は大きく3つあります。
寝るときにはそんなに動かない
サポーターは関節や筋肉をサポートするのですが、就寝時には起きているときほど動きませんよね。
寝返りをうつことはあるでしょうが、飛んだり、跳ねたり、走ったり、重い物を持ったり、活動時ほどの体に負担になる動作はありません。
それならつけておく意味があまりないので外しておいた方がいいでしょう。
締めつけによる血流の障害が起きる
サポーターが機能するにはある程度の締めつけが必要です。ここでいう締めつけとは、「固定」と言い換えてもいいでしょう。
人間の体には血管が通っていて、肉離れや骨折などのケガの回復過程には血流が大切な役割を担うことが多いです。
ですからサポーターの締めつけで血流を障害すると、ケガが治りにくくなるだけでなく、むくみ(腫脹)など新たな症状を生み出す可能性があります。
そもそもサポーターが機能していない
たとえばこちらのサポーターをご覧ください。
膝痛の方がよく使われているので一度は見たことがあるのではないでしょうか。
膝痛のサポーターの多くは立位や歩行時など、膝に体重がかかったとき(=荷重時)に膝を支えるために使われます。
寝ているときには膝に体重はかからないので、膝のサポーターを寝るときにつけている意味はありません。
同じ理由で、テニス肘のサポーターも寝るときにつけておく理由はないでしょう。
以上の3つの理由から寝るときにはサポーターは外す方がいいとされています。
[note title=”膝サポーターをつけっぱなしで色が・・?!”]変形性膝関節症で整形外科を受診し、処方された白い膝のサポーターをお風呂以外はつけっぱなしにしている人がたまにいます。
ずっとつけっぱなしにしておくと、汚れてまるで薄だいだいのサポーターのようになってしまいます。
変形性膝関節症の場合、サポーターは夜間につける必要はありませんよ。[/note]
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寝るときにもサポーターをつけたままにするのは?
しかし例外として寝るときもつけたままにするサポーターもあります。
保温効果目的のサポーター
サポーターの中には慢性痛対策として保温効果を目的としているものがあります。
こういうタイプのサポーターは締めつけがそれほどきつくなければ、寝るときにもつけたままでいいでしょう。
ケガをした直後や手術後
ケガをした直後や手術後には治療上の観点から、サポーターを夜間もサポーターをつけたままにする方がいい場合があります。
たとえば足首の捻挫をすると、受傷直後はひどく腫れるのですが、そのとき応急処置としてRICEという処置が行われます。
RICEとは、
- R:Rest 安静
- I:Ice 冷やす
- C:compression 圧迫
- E:Elevation 挙上(足を挙げておくこと)
のことです。
RICEについて日本整形外科学会も推奨していて、
この応急処置は、早期スポーツ復帰に欠かせないものです。 しかし応急処置をしなかったり、不適切な処置をおこなうと復帰までに時間がかかります。
とホームページに記載されています。
この中でIとCについて簡単に解説すると、受傷直後には出血で大きく腫れ上がるのですが、腫れがひどくならないように冷やして血管を縮こまらせたり、圧迫を加えてそれ以上腫れないようにします。
RICEは症状が落ち着くまで(数日~10日ほど)行われますが、この期間はサポーターやテーピングで圧迫を加えた方がいいとされています。
また前十字靭帯断裂の手術直後には膝が大きく動かないように装具(大きく強いサポーター)をつけますが、それも夜間は外してはいけません。
このあたりは医師が判断することなので、いつから外してもいいかは医師の指示を仰ぎましょう。
寝るときの姿勢が関節の負担になるとき
先ほど「寝るときにはそんなに動かない」と書いたのですが、実は寝ているときの姿勢が負担になってしまう関節も存在します。
たとえば足首は寝ているときはやや底屈していることが多いです。底屈とは足の裏(足底)方向に曲げることです。
運動学的には足首が底屈位になっていると、足首の捻挫で伸ばされた外側の靭帯に負担がかかってしまいます。つまり足首の捻挫が治りにくくなるとういことです。
このあたりの判断は非常に難しいのですが、サポーターを外した関節や筋肉が朝起きたときに余計に腫れていたり、痛みが増したりしているのであれば、夜間もサポーターの着用を検討してもいいかもしれません。
ご自身で判断がつかない場合には、必ず医師の判断を仰いでくださいね。