子供が足首をぐねって捻挫を疑ったら、すぐに整形外科を受診してください。
なぜ声を大にしていうのか?それには理由がふたつあって、
- 捻挫を舐めたら痛い目にあうから
- 捻挫ではなく骨折してる可能性があるから
です。
ちゃんと医師に診察してもらって、適切な処置を受ける、これが捻挫の正しい治療の流れです。
「捻挫なんかで・・・」と高をくくっている人も、ぜひ最後まで読んでください。きっと「捻挫でも病院に行った方がいい」と思ってもらえます。
捻挫でも整形外科を絶対受診すべき理由
重症の捻挫では手術になることもある
捻挫とは靭帯が損傷してることです。
ですから足首の捻挫は「足首にある靭帯が損傷している状態」です。
骨や筋肉、関節、靭帯の診察や治療を行うのは整形外科なので、整形外科への受診をすすめるわけです。
非常に強い外力が加わると、靭帯が伸びたり、断裂したりします。(例:サッカー選手の前十字靭帯断裂)
日本整形外科学会ではどれくらい靭帯が損傷しているかで、捻挫の程度を3つに分類しています。(GradeⅠ~Ⅲ)
靭帯の損傷程度によって、捻挫の程度を三つに分けています。靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れるものを2度捻挫、靭帯が完全に切れるものを3度捻挫と定義しています。
イラストでいうとこんな感じ。
この中でもGradeⅠならいいのですが、GradeⅢの損傷で足首がぐらぐら(不安定性が強い)だと手術して固定する場合もあります。
痛みが続くときは捻挫じゃなくて骨折しているかも
足首の捻挫ではもうひとつ厄介な問題があります。
それは捻挫だと思っていた症状が、実は骨折している可能性もあるのです。
足首の捻挫と骨折は見分けにくいことがあります。
- 捻挫も骨折も同じように腫れるから。
- 捻挫も骨折も同じように痛みがあるから。
捻挫で腫れるとこんな感じ。
骨折でも同じように腫れます。これを見極めるためにレントゲンを撮ります。
そうすると、靭帯の根元にある骨の一部が離れている場合があります。(裂離骨折)
足関節単純 X 線で正面、側面像と内旋斜位像や軸位撮影などで骨折や足関節外果の骨端線損傷や裂離骨片があるか確認する。超音波エコーにても確認ができます。
レントゲンや超音波エコーで骨折を診るのも整形外科医の専門なので、捻挫が疑われた場合、整形外科が第1選択となります。
もし捻挫だと思って長引く場合には、骨折している可能性があるので注意しましょう。
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捻挫で小児科に受診するのもOK
小児科はどちらかというと、呼吸器や消化器など内科的な病気を扱うことが多いです。(例:風邪(感冒症状)やインフルエンザなど)
実は小児科の中にも小児整形外科といって、子供の整形外科を専門としている医師もいらっしゃいます。
そんな医師がいらっしゃる病院やクリニックなら、子供の捻挫を診てもらうには完璧なんですが、小児整形外科を専門にやっている病院やクリニックは少ないです。
一般的な街の小児科でも捻挫で受診したらレントゲンを撮って、診断はしてくれると思いますが、骨折しているかややこしい場合の判断が難しいことがあります。
あと子供の場合、行ったことがない整形外科で診てもらうのを怖がる子もいます。
それなら馴染みの小児科医に診てもらう方が、子供にとって安心して診察が受けられます。
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捻挫を疑うなら整骨院はおすすめしない
もうひとつお伝えしておきたいことがあります。
もし子供の捻挫を疑った場合、最初に整骨院(=接骨院、ほねつぎ)に行くことはおすすめしません。
整骨院は柔道整復師が営んでいます。
そして柔道整復師が扱えるのは以下の4つです。
- 骨折
- 脱臼
- 打撲
- 捻挫
整骨院にはレントゲンはありません。
柔道整復師がは自分の手の感触と経験を頼りに判断するようですが、これは医師からいわせるとかなり危険です。
日本臨床整形外科学会のホームページでもこの話題は取り上げられています。
脱臼、骨折は、応急の場合を除き、持続して柔整師が、施術を行う場合は、医師の同意が必要です。つまり、医師の同意なしに、柔整師が扱えるのは、捻挫と打撲だけということになります。
(中略)
柔道整復師という資格は、医療行為を行うには、十分な資格ではないので、患者さんの安全性を考えて、行える疾患を、誤っても害のない病気の範囲に、法的に制限しているわけです。また、十分な診断ができないので、治療を誤る危険性が高いので、施術は、やむを得ない急性期以外は、医師の許可(監視)のもとに行う事が、求められているということと思います。
がんばって施術されている柔道整復師もいるのですが、捻挫は初期の診断と治療はその後に大きく影響します。
特に子供のケガは将来に関わる可能性があるので、病院やクリニックで医師の診察を受けるようにしましょう。
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まとめ
子供の捻挫の対応についてお伝えしてきました。
長くなったので、最後にまとめます。
- 「捻挫くらい」とあなどらず医師の判断をあおぐ。
- 捻挫と骨折の見分けは難しい。
- 捻挫では整骨院に行くことはおすすめしない。
子供の未来がかかっていますので、保護者は適切な診察を治療を受けられるように行動しましょう。